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院長コラム

【院長コラム】感染性腸炎について

院長コラム 2020年01月08日

冬場の嘔吐・下痢の原因はほとんどがなんらかの感染による腸炎、いわゆる感染性腸炎です。
主にウイルスや細菌、細菌が産生する毒素が原因です。毒素による食中毒は、厳密には感染性腸炎の病態と異なりますが、ここではまとめて解説しています。口から摂取した細菌・ウイルスは胃酸によってほとんど死滅しますが、多量の菌を摂取した場合や、よく噛まずに食べた場合や、粘調な痰の中に含まれた場合は小腸内に入り、感染・繁殖し、さまざまな症状を起こします。ただ腸の抵抗力は個人差があり、100兆個もの多彩な腸内細菌が常在しており、同じ細菌に感染したとしても、その反応は様々です。ここで代表的な腸炎について解説します。

 

二枚貝の内臓にいるノロウイルスは最もメジャーな冬の腸炎ウイルスです。小腸粘膜に感染し、嘔吐・下痢・発熱は激しいのですが、腸を深く傷つけないため、腹痛は少ないです。特効薬はありませんが、成人では重篤な症状になることは少なく、2~3日で軽快します。しかし抵抗力のない乳幼児や高齢者は脱水になりやすく、症状が強ければ医療機関を受診してください。ノロは酸やアルコールに強く、10個程度のわずかのウイルスでも感染力があり、乾燥にも強く塵となり、食物に付着し学校や老健施設ではすぐに伝搬してしまいます。お子さんの吐物の掃除の際は手袋、マスクを着用し、掃除の後は必ず手洗い・うがいをして下さい。現在の汚染処理場の処理では完全にノロウイルスを除去できず、海に流れ込み、牡蠣などの2枚貝に蓄積され、最終的に我々の食卓に並ぶのです。

 

焼き鳥、特に鳥刺しを食べて2~7日後に腹痛、嘔吐、頭痛、発熱、血便をきたす原因菌がカンピロバクターです。この細菌は細菌性腸炎の中では最も頻度が高く、夏場だけでなく年中発生しています。この菌はピロリ菌の仲間で胃酸に強く、胃を通過し腸管に定着、増殖して粘膜を破壊し、潰瘍形成や出血をきたします。抗生剤が有効ですので、必ず受診してください。感染後、この細菌に対する抗体が作られるのですが、神経の糖鎖にも反応を示すため、急性の運動麻痺を起こすことが稀にあります(ギランバレー症候群:私の父が好きだった女優の大原麗子さんの死因です。29歳から発病していたそうです)。

 

ブドウ球菌は夏場のおにぎりなどで多い、毒素産生型の腸炎です。摂取された毒素は摂取3時間後に小腸で作用するため、嘔吐・下痢をきたします。粘膜障害は弱く血便や壁肥厚は起こりにくく、1~2回の嘔吐でケロッと治る場合があります。毒素量などの違いにより症状には個人差がみられるが、まれに発熱やショック症状を伴うこともあります。

 

下血・下痢を伴う腸炎の原因は腸内出血性大腸炎(O157が有名です)です。カイワレ大根やユッケの食中毒で報道されたことがありますように、生野菜や肉関連で感染します。これはベロ毒素を産生し、激しい腹痛や下血をきたし、腎・脳に障害をきたすこともあります。発症早期では抗生剤が効果的ですので、下血があれば必ず医療機関を受診してください。下痢止めで、毒素の排泄を遅らせる可能性があり、注意が必要です。

 

まだまだ書き足らないのですが、とにかく手洗いうがい、火の通ったものを食べるように心がけ、こまめに拭き掃除をましょう。

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